2020年12月31日の紅白歌合戦で、嵐の「カイト」という曲を初めて聴きました。
テレビで見た時には、なんかいまいち盛り上がりに欠ける曲だな、なんて思いながら聴いていました(嵐と米津さんに失礼!!)。
でも、2021年になり、会社で仕事をしている中で、なぜかこの曲のフレーズが頭から離れずに、ぐるぐると鳴り響いているんです。
そして今日、会社帰りにダウンロードして、1曲リピートで何回も聴きまくりました。
そして、あることに気づいたのです。
紅白で歌った「カイト」は、完全版ではなかった、ということに。
サビのコード進行は(Cコードと考えると(「楽器.me」のコード進行を参照))
C → G → Am → ConE →
F → G → Am → ConE →
F → G → Am → ConE →
F → G7 → C → C
このコード進行に関しては、特に新鮮な驚きはありませんでした(失礼!!)。
Am の次を Em ではなく ConE にすることで、マイナーな響きではなく、目の前に青空が広がるような響きになるんだなぁ、と思っていました。
しかしここから、紅白では歌われなかった幻のDメロが、切なすぎる歌詞とともに、突然現れるのです。
嵐の中をかき分けていく
ConE → F → G → E7onG# →
小さなカイトよ
Am → F → G → C →
悲しみを越えて どこまでも行こう
ConE → F → G → E7onG# →
そして帰ろう
Am → Dm → F → G → Am →
その糸の
ConE → Fm →
繋がった先まで
F → G → ConE
このDメロのコード進行の E7onG# の「半音上がり」にもぐっときますが、
ConE → F の流れを2回聴かせて、 F のメジャーな響きを耳に覚えさせた後での
ConE → Fm
この「Fm」のマイナーな響きによって、なんとか堪えていた切ない感情がピークに達して、ついに涙腺のダムが崩壊しました(T ^ T)
また、このDメロは、歌詞がすごくいいんですよね。
この歌詞の「悲しみを越えて どこまでも行く小さなカイト」とは、嵐のメンバーそれぞれのことを指しているんだと思います。
そして2021年からは、「嵐」であり「ジャニーズ」であること、すなわち今まで感じてきた「万能感」を手放して、一人の人間として、地に足をつけて行動や努力を積み重ねていく、という決意表明の歌なんだ!!と私は感じました。
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私たちは皆、子ども時代には、「自分は万能である」という幻想を持っています。
これを心理学では、「万能感(あるいは全能感)」と呼びます。
そして人は、その後の成長・発達のプロセスにおいて挫折や失敗をくり返し体験することによって、「等身大(=ありのまま)の自分」に直面するのですが、
そのとき、万能感を手放して「等身大の自分」を受容することで、心理的に成長・成熟していきます。
「人生は自分の思いどおりになる」という万能感を手放すことによって、「思いどおりにならないことへの耐性」を獲得し、地に足をつけて生きることができるようになります。
(野口嘉則さんの無料メールレターより引用)
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国民的なアイドルである嵐が、その万全なる地位を手放してまで、一人の人間として生きていきたい、という決意が込められた歌だからこそ、こんなにも心の奥底にぐっとくるものがあるんだ!!ということに、気づきました。
この曲の作詞作曲をした米津玄師さん、もうすごすぎますね。
嵐への応援歌であり、また嵐ファンへの応援歌でもあり、そして日本国民全員への応援歌でもある。
嵐が去った後に、虹のかかった美しい空が、どうか皆さんの前に広がりますように。明けない夜はないと、信じて。(松本潤さんのセリフ)
本当にこの曲は、未来永劫、歌い継がれるであろう名曲になっていんだろうな、と思った次第です。